防災意識を高めるには

防災看板 お役立ち情報

「防災意識」は、災害のリスクに対する認識とそれに対処するための態度や行動を指します。個人や地域社会が災害に対してどれだけ準備し、対処できるのか。こうした問題は、防災意識の程度に大きく依存します。このページでは、防災意識を高めるためのいくつかの重要な要因についてご紹介しています。

防災教育

教育

防災教育は、災害時において適切な行動を取るための知識やスキルの教育プログラムです。主に、学校などの教育機関において実施されます。また、地域コミュニティや地方自治体の現場で取り組みが催されることもあります。模擬演習である避難訓練はそのうちのひとつです。学校や職場において参加された方も多いのではないかと思います。そうした防災教育の内容は、次のような複数の要素から成り立っています。

災害の種類とリスク

災害はその種類により被害の現れ方や潜在的なリスクが大きく異なります。防災教育の取り組みを進めるうえで、その理解は必須の項目となります。例えば、地震、洪水、台風、火災など、異なる種類の災害について、それぞれの特徴を把握する必要があります。

災害の種類とそれぞれの特徴、避難方法については下記のリンクをご参照ください

避難手順と避難経路

災害が発生した際は、安全な場所に身を置くことが最も重要です。防災教育では、適切な避難手順と避難経路の理解を促進します。また、実際に行動できるようにするトレーニングも含まれます。発生が予測される災害の種類や避難経路は地域ごとに異なります。地形や地理環境といった要因を踏まえたうえ、その土地に応じた教育プログラムを創り上げる必要があります。

緊急連絡手段の確立

災害時には家族や友人との連絡が途絶える可能性があります。そのため、緊急時の連絡手段を確立することが求められます。手段としてはスマートフォンアプリを用いたものから予め集合場所を決めておくといった古典的なものまで、数多くの方法があります。災害時は混乱状態となりやすいため、事前にどのように連絡を取るかといった決め事を作っておくことが重要です。

備蓄品の整備

防災教育では、緊急時に必要な用具や備蓄品の整備についても指導します。これには、非常食、給水手段、応急手当用具などが含まれます。衣食住および怪我や病気に対する備えは非常に大切です。大規模な災害時は日用品の入手が困難となります。準備が整えば配給が開始されますが、生きていくために必要な備蓄品は自ら確保しておくことが重要です。

災害に備えた備蓄品の詳細については下記のリンクをご参照ください

地域の防災計画

地域での協力は災害対策において要の要素となります。災害時にだけ協力し合うというのは難しく、日常的にコミュニケーションを取る仲間を育むことが大切です。防災教育では、地域における防災計画への参加を促し、コミュニティを形成していく役割も負います。

情報の取り扱い

災害のようなパニックが起きやすい時は、誤った情報が拡散される恐れがあります。例えば、熊本地震の発生時、動物園から猛獣が逃げ出したことを伝えるニュースが一時SNS上で拡散しました。こうしたデマ情報は人々を更なるパニック状態に陥れ、正確な情報伝達を阻害します。防災教育では、正確な情報を取り扱うためのリテラシーについても学ぶことができます。

これらの要素を含む防災教育は、個人やコミュニティが災害に備え、災害時には冷静に対処できるようにサポートします。地域社会全体で防災意識を高め、被害を最小限に抑えることが可能となります。

 

避難経路の設定

デザインソーラーパネル
太陽電池内蔵型コードレスLED避難標識「デザインソーラーパネル」

防災意識の高まりは、災害の発生時に自分や家族も被害に合ってしまうのではないかという危機感から生じるケースも多々あります。

自分たちが住んでいる土地はどのような災害リスクを抱えているのか。災害時にはどのような避難行動を取ればよいのか。こういった情報や対策を伝えることで住民を啓蒙していくことも重要です。

実際に災害が発生した場合、直ちに安全な場所へ避難を開始する必要があります。この際に辿るルートを「避難経路」といいます。避難経路の設定は、地域の構造や地理環境、災害の種類といった要素を考慮して決定されます。以下は、避難経路を設定する一般的な手順です。

手順

避難経路の設定
  • 1
    建物の構造を確認する(室内の場合)

    建物内における避難経路です。まず、出口や階段、非常口などの建物の構造を確認します。非常口の設置および誘導案内の掲示については消防法で細かく定められています。災害の種類にもよりますが、通常はより安全性の高い屋外へと辿り着けるようルートを定めます。

  • 2
    地域の災害リスクを評価する

    はじめに、地域の気象条件や地形、歴史的な災害データを考慮する必要があります。例えば、水害が予測される場合は河川などの水源を避けたルートで高台や避難ビルへの導線を決めなければなりません。過去の災害データなどから危険度を可視化した地図をハザードマップといいます。現在は、どの自治体においても管轄エリアのハザードマップを備えています。この情報に基づいて各種災害のリスクを評価したうえで、実際の避難経路を策定していきます。

  • 3
    避難可能なルートを特定する

    次に、実際に避難行動が可能な経路を特定していきます。マップ上で最短となるルートであっても、実際には道幅が狭く多数の人が通る道としては適切でないこともあります。また、経路の道順が細かすぎる場合も避難に適しているとはいえません。なるべく多くの人に分かりやすく、最短距離で、安全なルートが求められます。こうしたルートの検証は机上の検討だけでなく実際に歩いて確かめる必要があります。また、ルートが私有地であったり法的な問題が絡むケースも考えられるため、事前の綿密な調査が求められます。

  • 4
    サインや案内板の設置

    避難経路が設定できれば、次にその情報を公示していく必要があります。自治体からはホームページやパンフレットなどで情報発信が行われていることもあります。現地においては、適切なサインや案内板により情報を伝えるとより認知が進みます。特に、災害発生時において混乱した状況でも指示案内が可能という点は大きなメリットのひとつです。

避難経路を示す看板やサイン

当社では、太陽光発電を用いた防災サインの取り扱いを行っています。日没後に表示内容が発光する機能をもち、夜間帯の災害において避難情報を提供するのに役立ちます。

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また、当製品は「電源が不要」「停電時でも活用可」「電気代ゼロ」「完全自動制御」といった特徴を備えています。災害用の避難案内としての機能に特化しており、防災啓蒙の役割も担います。

 

防災に関する地域コミュニティの結束

防災テクノロジー

地域コミュニティの結束を高めることは、防災対策において非常に重要な要因です。結束が強いコミュニティは、災害時にお互いに支え合うことができます。また、日常においても自然災害に関する情報交換ができれば防災意識はより高まります。以下に、地域コミュニティの結束を高めるためのアプローチをご紹介します。

コミュニケーションの強化

定期的なコミュニケーションを促進し、住民同士の親睦を深めます。また、地域のリーダーシップとの連絡を円滑に保ちます。定例会議やイベントなどを通して情報を共有し、コミュニティ内のつながりを強化することも有効です。また、近年ではSNSを用いた連携など過去に無かった方法での連携も広がっています。

地域イベントの開催

地域の催しや祭りなどを通して、住民同士が親睦を深め、お互いの顔や名前を知る機会を提供します。また、防災イベントやワークショップの開催も挙げられます。これにより、住民に災害リスクや適切な対応策について学ぶ機会を提供できます。専門家や地元の防災機関を招いて情報を共有することも有益な取り組みだといえます。

協力体制の確立

地域コミュニティ内で災害時の協力体制を確立します。ボランティアの募集や物資の共同備蓄などを計画的に進め、住民が協力体制に参加できるようにします。また、コミュニティ内でのリーダーシップを強化し、協力と連帯の精神を育むことも重要です。信頼できる地域のリーダーがいることで、住民はより安心して協力できます。

 

防災意識を高めるには まとめ

お読みいただきありがとうございました。このページでは、防災意識を高める方法についてご紹介しました。防災意識と避難行動には深い関わりがあります。残念ながら、日本では大規模な地震の被害予想地であっても高い防災意識があるとはいえません。避難経路を認知している層は3割程度とも言われており、早急の改善が求められています。一方、効果的なアプローチにより成果を上げている自治体も数多く存在します。ここで挙げたような取り組みを通して、防災意識を徐々に高めていくことが必要です。

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