防災サインの種類

防災サイン お役立ち情報

災害が危惧される市街地や避難拠点などには、防災情報や目印を記した「防災用途のサイン」が設置されています。防災サインには多種多様の素材で作られた製品があります。それぞれ異なる仕様やメリット・デメリットを有しています。このページでは、代表的な防災サインの種類と特徴についてご紹介しています。

シート

シートサイン

シート素材の防災サイン構造

塩ビなどのフィルムにデザインを印刷した、シート素材の防災サインです。ラミネート加工を施すことで耐久性および防水性を高められます。湾曲に曲げることができるため、巻き付けて設置する際に役立ちます。

メリットとデメリット

一般的に製造コストが低く、海抜標識など大量に設置しなければならない用途に最適です。巻きつけることができるため、電柱など大量の設置箇所を確保できます。また、耐候性の高いフィルムとラミネートを使用すれば数年間はメンテナンスがフリーです。

一方で、発光機能をもたないため夜間はサインの内容が視認できません。加えて、素材の耐久性は低めとなっています。安価なフィルムやラミネートの場合、短期のうちに色褪せてしまう点も欠点のひとつです。数年が経過したら全て取り換える、という使用方法が推奨されます。

防災面における代表的な用途と設置場所

電柱などに取付けられる避難誘導や海抜表示など。

 

プラスチック

プラスチックサイン

プラスチック素材の防災サイン構造

プレートの表面にデザインを印刷したり、カッティングシートなどを貼り合わせた構造の防災サインです。プラスチック製の素材であり、安価で広く普及しています。

メリットとデメリット

サインの製造価格が低く、案内標識など大量に設置しなければならない用途に最適です。設置や撤去が容易であり、軽量のためフェンスなどにも取付けられます。耐候性の高いカッティングシートを使用すれば数年間はメンテナンスフリーです。

一方で、プラスチック素材は衝撃に弱く、ひび割れや破損の可能性が高くなっています。また、照明機能をもたないため夜間における表示内容の視認ができません。インクやフィルムの耐候性が低い場合、数年で色褪せてしまいます。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難誘導、海抜表示など。

 

アルミ・ステンレス

アルミ・ステンレスサイン

アルミ・ステンレス素材の防災サイン構造

防災用のデザインを印刷したフィルムをアルミやステンレスなどの金属板に貼り合わせたサインです。屋外へ設置しても錆び難く丈夫な点が特徴です。

メリットとデメリット

アルミやステンレスは耐久性が高く錆び難いため、長期間にわたる使用が可能です。耐候性が高いフィルムとラミネートを使用すれば数年間はメンテナンスフリーです。強度が高く、屋外での設置に適しています。コスト面は金属板の種類により異なりますが、メッキ加工などを施す場合は単価が高くなります。

デメリットは、通常の印刷フィルムでは夜間に表示内容が視認できない点にあります。また、インクやフィルムの耐候性が低い場合、数年で色褪せることもあります。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難誘導サイン、案内板、道路標識など。

 

蓄光サイン

蓄光サイン

蓄光素材の防災サイン構造

「蓄光材」とは、太陽光や蛍光灯の光を吸収し周囲が暗くなるとエネルギー放出して発光する特殊な塗料です。夜間対策として効果を発揮します。印刷物をプラスチックや金属のプレートに貼り合わせている防災サインもあります。

メリットとデメリット

電気設備なしで自発光するため、夜間にも表示内容を視認できます。配線工事および電気工事が不要なので、容易に設置が可能です。電気機器を使用しないのでメンテナンスの頻度が低く、維持費を削減できます。

一方、輝度に関しては時間の経過とともに発光量が低下します。発光直後は1カンデラ程の輝度が60分程度経過すると1/10程度にまで落ち込んでしまいます。特に、徐々に暗くなる屋外では夜間帯にエネルギーを放出しきってしまうことがあります。価格面では、同じサイズでも発光輝度により数千円~数万円まで大きな差があります。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難場所サイン、避難誘導案内など。

 

再帰反射シート

再帰反射シート

再帰反射シートの防災サイン構造

アルミニウム板などの上に「再帰反射フィルム」を貼り合わせた防災サインです。再帰反射フィルムとは、照明光を入射方向へ反射するようプリズム加工を施したメディアをいいます。道路標識に多く用いられており、自動車のヘッドライトが当たるとはっきりと視認できる効果をもちます。

メリットとデメリット

自動車のヘッドライトなど、光源があれば夜間でもサインの内容を視認できます。耐久性の高いフィルムを選べば10年程度はメンテナンスフリーです。

一方で、夜間に表示内容を識別するには別の光源が必要となります。歩行者には不向きである点を考慮した設置が必要です。効果的な設置場所としては、国道沿いなど自動車の往来が頻繁な箇所に限定されます。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難誘導サイン、道路標識など。

 

ソーラー式サイン

ソーラー式サイン

ソーラー式の防災サイン構造

ソーラーパネルが太陽光を受けてエネルギーの発電を行います。生成した電力をバッテリーに蓄電し、夜間に照明器具を点灯してサインを発光表示する構造です。

メリットとデメリット

照明器具によりサインを点灯するので、夜間においても表示内容を確認できます。比較的高い輝度での表示が可能というメリットがあります。また、太陽光発電により得た電力はバッテリーに蓄電されます。これにより、停電した際にも点灯が可能となります。

一方、電気工事は無いもののサイン製品自体の単価が高めです。加えて、メンテナンスコスト(バッテリ―交換など)も高くなりがちです。バッテリーの寿命はおよそ2~3年程度で、交換には数万円~十万円程度の費用が必要となります。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難場所サイン、避難誘導標識など。

 

ソーラー街灯

ソーラー街灯

ソーラー街灯の防災サイン構造

備え付けたソーラーパネルにより、太陽光を受けて発電する街灯製品です。生成した電力はバッテリーに蓄電します。夜間になると街灯を点灯し、支柱に備えた防災サインを照射する構造です。

メリットとデメリット

照明器具を使用してサインの点灯を行うため、夜間においても表示内容を確認できます。太陽光発電を行うため、災害が起きて停電した際にも点灯機能を持続することが可能。照明器具の照度が高く、防犯灯や誘導灯としても活用できます。

一方で、間接照明となるためソーラー式サインと比較すると視認性が低下します。一般的な費用面では、本体価格が100万円ほど、施工に50万円ほどの導入コストが掛かります。また、鉛蓄電池をバッテリーとするケースが多く、電池交換のコストも必要となります。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難場所サイン、避難誘導標識、誘導灯など。

 

デザインソーラーパネル

デザインソーラーパネル

デザインソーラーパネルの防災サイン構造

当社が製造および販売を行っている「太陽電池内蔵のコードレスLED防災サイン」です。製品の内部にソーラーパネルを搭載した構造をもちます。日光を受けて発電し、バッテリーに蓄えた電力で夜間にLEDを点灯します。

メリットとデメリット

自発光するため最大15時間/日にわたり一定以上の輝度で持続的に点灯します。太陽電池を内蔵した”オールインワン構造”なので電気工事や配線設備が一切不要です。バッテリーに市販の単三充電池を採用しており、維持費用が安価となります。

一方で、太陽光発電による電力供給のため悪天候が続くと不点灯となります。また、価格面ではフィルム系のサインと比較すると高額となります。

防災面における代表的な用途と設置場所

避難場所サイン、避難誘導標識、誘導灯など。

 

防災サインの種類 まとめ

お読みいただきありがとうございました。このページでは、防災サインの種類についてご紹介しました。防災用途として活用されているサイン看板類には、上記のように複数の種類があります。それぞれが異なる特徴をもち、機能や価格帯もバラバラです。そのため、防災サインを設置する目的に沿った製品選びが重要となります。防災サインを選定する際は、是非このページでご紹介したポイントを押さえ、適切な製品選びにお役立ていただければと思います。

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