避難所標識(御坊市様)
- 目的
- 夜間における災害時でもスムーズな避難を促す
停電時の対策を強化し安全を守る街づくりを進める - 導入製品
- SLB-S6036
- 設置方法
- 支柱建て込み、フェンス共架、壁面取付け
避難所標識の導入背景
自然災害と避難の必要性
和歌山県は地理の関係上、多くの地域が太平洋に面しています。
同県で南海トラフ地震が発生すると、最大マグニチュード9、最大津波高16m、津波到達時間は僅か13分という驚異的な予測値が発表されています。巨大地震の発生においては直後にできるだけ高い場所へ避難することの必要性が改めて示されています。
先進的な減災対策
御坊市では災害の発生を常に想定し、被害を最小化するための減災対策が実施されてきました。
例えば、避難所となる施設の指定を行うだけでなく災害種別ごとに適した避難先を示したり、施設の安全性評価を3段階に分類したりと、他の自治体に先駆けた取り組みが見られます。その結果、現時点で風水害避難所45箇所、地震避難所45箇所、津波避難所等64箇所といった多くの拠点が適切な避難場所として指定されています。
住民への周知
しかし、住民やビジターがもつ防災意識は限定的であり、使用面に課題がみられています。整備が進められた避難施設ですが、実際に活用してもらうためには何が必要なのでしょうか?最も基本的かつ重要なのは「周知」だとされています。
どの施設がどの災害において安全なのかといった情報を住民が認識していると、災害時の速やかな避難行動が可能となります。そうした中、周知方法のひとつとして各避難所の入口に標識を掲げて情報を発信する事業が企画化されました。
デザインソーラーパネル避難所標識による問題解決
発電構造
「デザインソーラーパネル」は、太陽電池を内部に搭載した構造をもつ内照式表示板です。
発光機能
電気工事や配線設備を施すことなく表示内容のライトアップが可能であり、夜間の視認性確保に役立ちます。
ソーラーライトの機能と問題点
同市では、以前より非点灯の標識に「ソーラーライト」を組み合わせた防災案内を導入していました。
太陽光発電により発光する照明機器で、電源を確保できない場所や災害による停電時においても避難情報の視認が可能です。ソーラーライトは価格が比較的安価であり電気工事なしで取り付けられるメリットをもちますが、その一方で弱点もあります。それは「表示面の輝度」と「明るさの均一性」です。
表示面を外部照明で照らすため、光源から距離が離れるほど暗くなります。光源と反対側の表示内容が見難くなり視認性が悪化してしまいます。
内照式の避難所標識で課題を解決
デザインソーラーパネルは、内側から照明を灯す内照式(バックライト)の発光方法を採用しています。
表示面全体が発光するため高い視認性を確保できます。「発電機能」および「表示面の識別性」に関して評価をいただき、避難所標識の採用に至りました。
避難所標識の設置による効果
夜間の視認性を向上
実際に避難所標識を設置してみると「ソーラーライトと比較して明るく全体が見やすい」「日常から目にする機会が多いため周知に役立つ」というお声をいただきました。
同市と同様に、既存の防災案内では夜間の視認性を確保できないという悩みを抱えている自治体様は少なくありません。
設置面のコストを削減
また、設置に関するコスト面においてもご相談をいただきました。
新たに支柱を建て込む場合、各設置点で基礎工事が必要となり事業費が大きく膨れてしまいます。そこで、コストを抑えるため、避難所標識を取り付けられそうな既存設備(支柱、フェンス、壁面など)がある場合にはそれを再利用して施工を実施しました。
このように柔軟な取り付け方法をご提案できるのも、全ての部材を内蔵したオールインワン構造をもつデザインソーラーパネルならではの特徴です。