太陽光発電は、その名の通り自然資源からエネルギーを作り出すことができます。電力供給に異常が生じる可能性のある災害時においては非常用電源として用いられます。「太陽電池システム」と「防災グッズ」は相性が良く、様々な防災商品が販売されています。このページでは、太陽電池を活用した商品とそのメリット・デメリットについてご紹介しています。
太陽光発電システム
災害時における太陽光発電システムの役割
防災拠点となる「避難所」の多くは、学校や公民館といった場所に設置されます。学校や公民館は災害時において人々が宿泊できる広さと機能があるためです。防災拠点では、被災者の最低限度の生活水準を保つために電力を供給する必要があります。
災害時における「太陽光発電システム」の役割は、ソーラーパネルで発電した電力を蓄電池に蓄え、停電時に電力を供給することです。つまり、災害時にも避難所の機能を維持するための設備だといえます。
太陽光発電の利用
平時における太陽電池の稼働は一般電源と連携して行います。昼間は「太陽電池が発電した電力」と「購入した電力」を併用します。夜間は発電量がゼロとなるため一般電源と合わせて電力をカバーします。停電が発生すると太陽光発電システムは一般電源とは別に運用されます。一般電源からは電力が供給されません。太陽電池による発電と蓄電池に蓄えられたエネルギーで消費電力を賄います。
避難所における太陽電池の働き
停電時に太陽光発電システムを利用する場合、蓄電池に蓄えたエネルギーで全ての消費電力をカバーする必要があります。一般的に、蓄電池の容量としては「2~3日程の消費電力を賄える」程度が求められます。停電時に稼働する電気設備は必要最低限のものに限定されます。主に、照明器具やトイレなどが対象となります。
家庭用発電システムとの違い
家庭の屋根に設置されているような太陽光発電システムは停電時の電力供給ができません。停電により一般電源が停止すると、電力会社側への電流の逆流を防ぐため太陽光発電システムも自動的に停止するように設計されているからです。(※家庭用の場合、太陽光発電システムと一般電源の回路を繋ぎ合わせて運用します)
防災用途での太陽光発電システムを検討する場合、停電時でも電力供給が可能であるかどうかを確認する必要があります。防災対応型の場合は、停電時に回路を切り替えることで太陽電池システムによる電力供給を継続できます。また、蓄電設備を有していれば電力を蓄えておくことが可能です。
ソーラー街灯
設置目的
防災用途のソーラー街灯が設置される最大の目的は、夜間に災害が発生して停電した場合に「避難路を明るく照らす」ことです。
従来技術での問題点
従来の街灯では停電時に通常の街灯が消灯してしまい路面状況の確認が困難でした。大きな地震が発生した場合、ビルや家屋の倒壊によってガラスやコンクリート片などの障害物が路上に散乱する危険があります。また、夜間に災害が起こった場合、道路を照らす光が無ければ避難行動が困難となります。こうした面で、安全かつ速やかな避難を実現するためには照明によって路面の状況を照らし出す対策が求められます。
停電時の利用
ソーラー街灯は停電時にも点灯します。消費した電力は翌日に太陽電池が発電したエネルギーで補完されます。最近では、蓄えた電力をスマートフォンなどの充電に併用できる製品も登場しています。
蓄電池との関係
ソーラー街灯を導入する際に気を付けたいのが「バッテリー」です。太陽電池自体には発電した電力を蓄えておく機能がないため蓄電池が必須となります。素材や容量により多様な種類があり、その特性を認識しておくことが必要です。
また、蓄電池は使用と共に劣化してしまいます。蓄電容量が低下するため、定期的な交換・メンテナンスが求められます。メンテナンスには数万円から数十万円ほどのコストが必要となるケースが多く、設置台数が多いと負担も大きくなります。設置を行う前にランニングコストも計算した上で導入されることをお勧めします。
ソーラーランタン
ランタンの動力源に太陽光発電を用いるメリット
ソーラーランタンは太陽電池で発電した電力をバッテリーに蓄えて使用します。災害によって電力供給がストップしても製品の使用には問題がありません。明るさについても、テント内やテーブルライトとして使用する分に問題ない光量を確保できます。
その他の機能をもった商品
スマートフォンの充電装置やラジオ放送の受信装置が搭載されている製品もあります。充電方法も太陽電池だけではなく、手回し充電やUSB充電、車載充電、アルカリ電池の代用といったさまざまなタイプが用意されています。