避難標識の設置目的
- 飛島村の域内に設立されている津波避難タワーの存在を啓蒙する
- 災害発生時の避難先となる津波避難タワーへの経路を示し、非常時における行動指針のベースを整備する
- 避難標識の誘目性を高め、地域における防災意識の向上を図る
- 停電時においても防災案内を点灯可能な状態にし、昼夜を問わない速やかな避難行動をサポートする
- 電気工事が難しい場所でも内照式の誘導案内を設置できる
愛知県飛島村様の導入背景
減災対策と津波避難タワー
愛知県は複数のプレートが跨る地理要因から地震発生数が比較的多い場所です。過去にもしばしば大地震に襲われています。飛島村では、災害の発生を予期・防止することは困難であると判断し、被災時の被害を最小化して迅速な回復を図る「減災」の考え方を防災の基本理念としています。
昨今では専門機関からも発表されている通り「南海トラフ巨大地震」が30年以内に70%の確率で発生すると予測されています。渥美半島では最大10m超の津波が発生するといわれており、津波および浸水対策の充実が急務です。
そうした中、同村では、速やかに安全な場所へと退避できるよう「津波避難タワー」が複数基建設されています。
防災啓もうと案内の施策
ただし、実際に津波避難タワーを活用してもらうためには当事者である村民の主体的な取り組みや地域での助け合いが重要となります。従来、居住者が少ない臨海工業地域を対象に津波避難対策を実施してきたことから、津波に対する意識は高いとは言えませんでした。そこで、防災に対する啓もうや津波避難タワーの存在を認知してもらうための”標識事業”が企画されました。
デザインソーラーパネル避難標識による問題解決
蓄光サインの機能と問題点
当初、飛島村では「蓄光サイン」による標識の整備が検討されていました。
蓄光サインとは、日光などに含まれる紫外線を吸収して暗所で自発光する特殊な発光塗料で製作された標識です。設置するだけで夜間に光らせることができます。また、電気機器を使用しないためメンテナンスコストを抑えられる点が特徴です。
しかし、蓄光サインには弱点もあります。それは”明るさの維持”です。一般的には発光開始から1時間程度で10分の1ほどにまで輝度が低下してしまいます。深夜~明け方に災害が起こった場合には十分に標識が発光できません。表示内容を視認できないという危険性が残ってしまいます。
デザインソーラーパネル避難標識のソリューション
そこで、弊社は飛島村の防災ご担当者様へ「デザインソーラーパネル」のご提案を差し上げました。デザインソーラーパネルは、内部に搭載した太陽電池により日光を受けて発電する機能をもちます。
蓄光サインとの最大の違いは「輝度の持続性」です。デザインソーラーパネルは光源にLEDを使用しています。1日に最大15時間一定以上の明るさで点灯し続けます。従って、十分な日照条件(晴れ日に2~3時間以上の直射日光)を確保できていれば、夜間に表示面が見えないという事態を防ぐことができます。
もちろん、太陽電池を使用しているため災害による停電時にも発光します。加えて、バッテリーには市販の単三蓄電池を採用。安価かつ容易な維持管理を実現しています。夜間の明るさと維持コストの低さを評価いただきました。また、電気工事や手続きが不要である点も併せてポジティブに捉えていただきました。
こうした内容から、飛島村内におけるデザインソーラーパネルの設置が決定されました。
避難標識の導入による効果
津波避難場所への誘導案内
避難ルートにおいて、通路が津波避難場所へ繋がっていることを認識してもらう必要があります。表示内容にはピクトグラムと共に矢印と距離表示を併記しています。避難所までのルートをわかりやすく伝達しています。
避難場所を示す標識
津波避難標識の表示により、その建物が津波から身を守るのに適切な場所であることを伝えます。夜間には明るく点灯し、避難所の存在を目立たせます。フェンスや支柱といった場所に本体を設置することも可能です。
様々な設置方法に対応
様々な設置方法に対応した専用冶具を準備しています。飛島村の避難場所および避難路に14台をご採用いただきました。期待以上に明るく点灯しているとのコメントも頂戴しています。また、今後も引き続き設置をご予定いただいています。