照明とIoT

「照明」は広く知られている通り、光を照らして視界を明るくする製品です。屋内外を問わず人の生活圏において至るところに設置されている”照明機器”。IoTの発展により、光の照射だけでなく多様なサービスの展開が進められています。このページでは、照明とIoTの関係および用途について詳しくご紹介しています。

照明の使われ方

照明の使われ方

「照明」は人の生活において欠かすことができない技術です。単に暗い場所を明るく照らすだけではありません。食べ物を美味しそうに見せたり、エンターテイメントの演出、交通信号、ネオンサインなど様々な用途で活躍しています。

従来より、照明は”光を照らす”作用によって人々の暮らしを便利に支えてきました。もはや照明を使用しない生活は考えられないほど身近です。

そうした中、IoTの発展により更なる機能や付加価値が生み出されています。

 

スマート電球

スマート電球

スマート電球とは

照明にIoT技術が加えられた製品として、まず挙げられるのが「スマート電球」です。

基本的には従来と同じように周囲を明るく照らし出す役割をもっています。スマート電球が今までの電球と異なる点は、人のライフスタイルに合わせて”照明のコントロールが可能”な部分にあります。例えば、ネットワークに繋げることでスマートフォンから照明の操作や調光ができます。

具体的には、誰も居ない部屋に明かりを灯して防犯性を向上したり、留守番中のペットがいる部屋を明るく照らしてあげるなどの遠隔コントロールを実現しています。また、製品によっては音楽と連動した光色の変化やスピーカーを内蔵した音響サービスも提供されています。

照明による見守りシステム

別の視点からは、照明の点灯を検知することによる「見守りのシステム化」が進んでいます。例えば、一人暮らしの高齢者の自宅にスマート電球を取り付け、トイレや洗面所などを利用した際の照明点灯を検知し、遠方に住む家族に知らせるといった方法です。1日の間に1度も照明の検知が無ければ何かが起こったと予想でき、早期の行動に移すことが可能となります。

スマート電球の分野では、照明機器としての利用に加えて”新しい価値”の提供が始まっています。IoTとの組み合わせはまだまだ発展途上ですが、アイデア次第で様々な使い方が可能ということもあり、スタートアップなどの新規参入が増加しています。電気は身近な機器であるため、便利な機能の広がりが期待されています。

 

スマート街路灯

スマート街路灯

スマート街路灯とは

街路灯とIoT技術を組み合わせた製品が「スマート街路灯」です。

機能面よりも管理コストの削減といった合理化が進められる傾向にあります。例えば、電球の消耗具合や電球切れの状態をセンターでまとめて管理し、部品交換およびメンテナンスの効率化に繋げる方法があります。

あるいは、街路灯付近の交通量および交通パターン(時間帯/曜日など)のデータを蓄積することで照明の明るさを調整し、リアルタイムでの節電を実施できます。実際に、イギリスでは一部市街地での実証実験により電気代の維持コスト削減に成功し、年間約2億円のコストカットを実現しています。

センサーの設置

街中の至る所に設置されているという特徴を生かし、センサーを併設しているスマート街路灯もあります。例えば、周囲の排気ガス量や有害物質検知を行い、クリーンな街づくりに役立てるプランなどが計画されています。

センサーに関する詳細情報については、下記のリンクをご参照ください。

 

照明とIoT まとめ

IoT技術の付加により、照明は単に周囲を明るく照らし出すだけの存在ではなくなっていくことが予測されます。自宅や街路の監視、高齢者や子供の見守り、省エネ化を進める取り組み、新しい都市開発など。従来には無かった役割を担う可能性を秘めています。これらは家、オフィス、街中といった人の暮らす場所と密接に関わりのある”照明”だからこそ実現できる要素をもっています。今後、照明機器に新しい役割や価値が生まれ新しい市場が開けていくと予測されています。