表札の素材

表札には数多くの素材や種類があり、それぞれが個々の特徴をもっています。また、メリット・デメリットも異なり、選択が難しい商品のひとつであると言えます。正しい知識を備えたうえで理想の表札選びにお役立ていただけるよう、このページでは表札の素材について詳しくご紹介しています。

表札素材の種類と特徴

表札素材の種類と特徴

アルミ

「アイアン(鉄)は錆びてしまうけれども、あの独特で重量感のあるデザインがいいな・・・」「取り付け場所の壁面強度を確保できないので、重たい表札は取り付けられない・・・」といったお悩みをお持ちの方におすすめなのが「アルミ表札」です。

アルミ表札の最大の特徴は錆びに強いことです。多くの場合、アルマイト処理や焼き付け塗装が施されており、高い耐錆性を誇ります。定期的な清掃を行えば外観はそのままに長期間の使用が可能です。

また、重量が比較的軽量なこともアルミ表札のメリットです。薄いアルミ表札であれば強度の低い木材や石膏ボードといった壁面にも取り付けられます。

アルミ表札の場合、デザインは一枚物のアルミにエッチング加工(素材を彫刻すること)を施して文字や図柄を刻み入れる手法が多く見られます。また、アルミは加工が容易で曲げることもできます。各メーカーから様々な形状・デザインの表札がリリースされています。

ガラス

ガラスは外観の美しさから人気が高い素材です。

割れやすいのではないか?という懸念をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、表札用に作られたガラスには相応の厚みがあり(10~15mmほど)通常の使用範囲で割れる事はまずありません。

屋外でも当然錆びることはなくお手入れがしやすい点もメリットのひとつです。一方、おしゃれな商品が多い表札ですが、お値段は比較的高額です。価格帯の目安としては、およそ2~4万円程度となっています。

表札用のガラスは、表札メーカーが工房に依頼することで独自の形や色を再現しています。そのためメーカーごとにさまざまなデザインが存在しています。ガラスの表札を検討されている方は、なるべく多くのWEBサイトやカタログをご覧になられることをおすすめします。

天然銘木

和風建築との相性はダントツです。天然銘木では、一枚物の木板から文字を浮き彫りにするデザインが主流です。

表面にはニスが重ね塗りされており、光沢のある外観になります。最近ではおしゃれなデザインの銘木表札も登場していますので、古臭いイメージは払しょくされつつあります。

ただし、ニスでコーティングされているとはいえ天然木は使用しているうちに腐食が進行し変色が生じてしまいます。そのため、定期的にニスを上塗りするなどのメンテナンスが必須です。

見た目の変化も味わいのうち!と割り切って使用されることをおすすめします。

天然石(御影石など)

日本で一番多く設置されているのは天然石からできた表札だと言われています。たしかに、住宅街を歩いていると至る所で御影石の表札を目にします。石が材料であるため、強度が非常に高く錆びの心配もありません。他の素材と比べると維持管理が容易な点が人気の理由のひとつです。

御影石などの天然石表札はデザインも豊富です。一枚物の石の表面をエッチングして文字を彫り込むスタンダードなタイプはもちろん、最近では天然石と金属・ガラスといった異なる素材を組み合わせたモダンでおしゃれなタイプが登場しています。

カラーバリュエーションも豊富です。御影石や大理石など石の種類で「白」「グレー」「黒」といったように色合いが異なっています。

タイル・陶板

タイル・陶板は、七宝、有田、信楽、備前など様々な焼き方で創られた表札です。

焼き物独特の色味や模様が日本家屋はもちろん洋風建築にもマッチします。焼き物の専門事業者にデザインや色味を発注するため、サイズやデザインはそのメーカー独自のものとなることが多くなっています。

タイル・陶板を購入する際に気を付けたいのは、色味やサイズなどがカタログと若干異なることがある点です。これは焼き物であるために起こります。タイル・陶板を焼く時の温度や収縮具合によって、同じ製品でも製造ロットが異なれば誤差が出てきます。この点は十分に納得してから購入されることをおすすめします。

弱点は強度です。場合によっては地震などの揺れでも割れてしまう可能性があります。落とすともちろん割れてしまいます。ご自身で設置される際には慎重にお取り扱いください。

ステンレス

ステンレスも人気の素材です。その理由は錆び難さにあります。読んで字のごとく、「ステン(汚れる、さびれる)」「レス(~ない)」な素材です。

一般に、ステンレスは錆びない金属といわれますが、錆び難いと理解したほうが正確です。表面の被膜が経年劣化によって剥がれると、錆びる可能性が高まってしまいます。海沿いなど塩害で金属が錆びやすい地域にお住まいの方は、ステンレスといえども金属製の表札は避けた方が無難かもしれません。

デザインは、ステンレス素材の一枚板にエッチング加工で文字を彫刻するタイプのものが多く見られます。最近では「切り文字」タイプのステンレス表札をラインナップしているメーカーもあります。

加工が容易であるためメーカーごとに様々なデザインがあります。他の素材と組み合わされたハイブリッドタイプもあります。色々なカタログや資料をご覧のうえでご住居に合うものをお選びください。

チタン

「金属製の表札がいいけど、錆びが気になる・・・。ステンレスも絶対錆びないというわけじゃないし・・・」とご心配の方にはチタンをおすすめします。

チタンは航空機や潜水艦、人工関節など絶対に錆びてはいけない箇所に使用される素材です。ステンレス以上の防錆性を有していますので、耐久性を重視する方にはぴったりです。

また、チタンは接着性も低く、表札に付着した汚れを容易に取り除くことができます。その上、ステンレスよりも軽量で設置箇所への負担も少ないという夢のような素材です。

いい事づくめのチタンですが、最大の弱点はその価格です。高価な材料であるため、ステンレス表札の数倍程度の価格(6~7万円以上)になることもしばしばです。

銅(ブロンズ)

独特の風合いを持つのが銅(ブロンズ)製の表札です。

表面を凸凹加工したりいぶし加工することで、他の素材にはないレトロな風味が醸し出されます。時が経つにつれて黒味を帯びた色合いに変化しますので、その変化を楽しむこともできます。

逆にいえば、基本的には錆びる素材といえます。しかし、定期的なメンテナンスできれいに風化させながら使用し続けることが可能です。銅(ブロンズ)表札は、その錆びた風合いを楽しむものだと心得てご購入ください。

ツヴァイマテリアル

ツヴァイ(zwei)とはドイツ語で「2」を表します。つまり、2種類以上の素材を用いて作られている表札のことを指します。

メーカーによって組み合わされる素材は様々です。「天然銘木」と「ステンレス」といった、天然物と人口物という真逆の質感を持つ素材同士を組み合わせたものもあります。全体的にモダンでおしゃれな仕上がりの商品が多いと思います。

個性的でおしゃれな表札をお探しの方にピッタリです。

アクリル

アクリルは、耐候性のある樹脂製の素材です。透明感のある質感が特徴です。

強度はそこまで高くありませんが、割れ難い点がメリットです。最近では、アクリルの表面にハードコーティング剤が塗布された表札もでてきています。コーティング剤が引っ掻き傷や紫外線によるアクリルの黄変を防いでくれます。

アクリルの高い透明度を活かして、印刷フィルムと組み合わせたデザインもあります。透明なアクリル板に印刷加工を施したフィルムを重ね合わせることで、色鮮やかなデザインを表現できます。

近年人気が高まっている表札のひとつです。

LED表札

これまでに紹介してきた表札には照明器具がないため、夜間になると表示面を視認できなくなります。最近では、照明器具が搭載されている発光タイプの表札が登場しています。夜間にも表示面が見えるという機能性はもちろん、ライトアップによるデザイン性が評判です。

ただし、LED表札を購入する前には設置について十分な検討を行う必要があります。第一に、コスト面です。家庭用の電源は100Vですが、多くのLED表札は12V仕様です。そのため、家庭用電源とLED表札をそのまま接続すると故障や火災の原因となります。それを防ぐために専用の変圧器と表札を接続しますが、この変圧器だけでも1~2万円ほど掛かってしまいます。

第二に、施工の手数です。100Vの電気配線は、資格を持った専門家に依頼する必要があります。電気工事士法により、一般用電気工作物の配線工事は「電気工事士」の資格を持った者でなければ施工できないと定められています。

工事業者に電気工事や配線工事を依頼する必要があり、その費用も2~5万円ほど必要です。LED表札はその美しさの半面、設置コストが表札本体以上に必要となるため、他の表札と比較すると高額になりがちです。

ソーラーLED表札

LED表札はおしゃれでデザイン性が高い点が人気ですが、設置コストが高くて購入をためらう方も多いと思います。そんな中で登場したのが、太陽電池で電力を賄う「コードレスタイプ」のLED表札です。

ソーラーLED表札は、太陽電池で電力を発電するため、外部電源とLED表札を接続する必要がありません。変圧器および配線・電気工事が不要となります。LED表札の美しさと設置に必要なコストを引き下げた経済性を両立した製品です。

 

表札の素材 まとめ

今回は12種類の表札素材をご紹介させていただきました。表札の素材には多くの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なる点がお分かりいただけたかと思います。お求めの際には、探している商品のイメージを具体化させることがオススメです。また、素材ごとのメンテナンスにつきましては、下記リンク「表札のお手入れ方法」のページでご紹介しています。