災害発生時の避難場所、避難生活に必要な物資、怪我をしてしまった際の対応等々…。防災には様々な緊急時の情報・知識が求められます。その全てを把握しておくことは困難です。しかし、災害時に役立つ「スマホアプリ」を利用することで有事の際のスムーズな対応が可能となります。
現在では数多くの防災系アプリが登場しています。ここでは、その中でも信頼性が高く使い勝手の良いものをピックアップしました。使い方を理解しておくと有事の際のスムーズな対応が可能となります。
総合防災アプリ
Yahoo! 防災情報
ヤフーが提供する防災アプリです。緊急地震速報・豪雨情報・避難情報などを知らせてくれます。防災に関する基本的な情報を幅広く収集できるアプリであり、重要性は特に高いとされています。その特徴は大きく3つあります。
プッシュ通知
プッシュ通知で防災情報をお知らせしてくれます。災害が起こる前に地震・豪雨・津波などの情報を通知してくれます。
情報の受取
自宅・実家・勤務先・現在地の4地点に通知してくれます。どこにいても情報を受け取ることができます。
情報の種類
1度の登録で防災に関連するあらゆる情報を取得できます。避難情報、地震情報、津波情報、豪雨情報、土砂災害、河川洪水、気象警報、熱中症情報、火山情報、国民保護情報、防犯情報、自治体からの緊急情報などが含まれています。
goo防災アプリ
国土地理院の「防災アプリケーション賞」を受賞したアプリです。ポータルサイトを運営するgooが提供しています。情報の信頼性も高く、総合防災アプリとしてこれ1つで様々な防災情報を取得できます。
「J-anpi」との連携
「J-anpi」とは、電話番号または氏名を入力することで、通信キャリア各社が提供する「災害用伝言板」および報道機関などが提供する「安否情報」を確認できるシステムです。グーグルが提供する「パーソンファインダー」を対象に検索し、結果を確認できます。
情報の入手
「J-anpi」と「goo防災アプリ」が連携しています。災害時にいち早く「J-anpi」へ自身の安否情報を登録したり、家族の安否情報の検索ができます。家族の安否情報をいち早く収集できる点で使い勝手の良い機能です。
シュミレーション
防災マップを使用して避難所、公共施設などの位置を検索できます。標高での施設絞り込みやオフラインでの地図利用など、実際の災害時に活躍しそうな機能も数多くあります。
災害予測アプリ
ゆれくるコール
緊急地震速報をスマホに通知してくれます。震災発生時、あらかじめ設定した地点の予想震度、到達時間などを受信可能です。その他にも、利用者が体感したゆれを地図上で共有できる機能や利用者が登録した安否状況を地図上に表示する機能などの追加機能も充実しています。
豪雨レーダー
備えるべき災害は地震だけではありません。昨今では局地的な大雨による被害が全国的に相次いで発生しています。「豪雨レーダー」は、250m四方に区切られた範囲ごとの降水を10分単位で予報できます。局地的な豪雨を詳細に把握することができます。60分後までの10分単位降水量を把握することが可能となっています。大雨による土砂災害といった二次災害の危険性も加味しながら次の行動に備えることができそうです。
tenki.jp
ある災害が起こった後にそれが原因になって別の災害が起こることがあります。これを二次災害といいます。例えば、 豪雨のために地盤が緩んで起こる土砂崩れ、地震でガス管が損壊したことによる爆発事故、救助隊の遭難・被災などがあります。二次災害の危険性を把握するためには「天候」に関する情報を収集する必要があります。その点で、日本気象協会がリリースする本アプリであれば情報の信頼性も高くお勧めできます。
災害情報を取得するアプリ
Radiko.jp
今いるエリアで放送しているラジオ放送をパソコンやスマートフォンで聴くことのできるサービスです。ラジオの電波が入りにくい場所でもインターネットに接続できればラジオ放送を通じて防災情報を入手できます。地域に密着した情報を提供してくれる点で緊急時のラジオ放送は非常に有益です。いまどきの家庭にはラジオを受信できるハードウェアがないところも多いかと思われます。そうした場合でも本アプリが役立ちます。
すぐれん
緊急時に簡単に連絡する事を目的に開発されたアプリです。緊急電話やメール、プロフィール表示といった機能を大きなボタンで操作できます。スマホの操作が苦手な高齢者の方でも使用できます。緊急時には気が動転してしまい、いつもはできる簡単なスマホの操作が困難になることも予想されます。そうした際にこのアプリを使用すれば必要最低限の行動が取れるようになっています。高齢者のご家族をお持ちの方はこのアプリをインストールしてあげると安心です。
避難行動アプリ
全国避難所ナビ
住みなれた地元の避難場所であれば知っているという人も多いと思われます。しかし、ひとたび旅行や買い物に出かけた時に被災した場合はどうでしょうか?ほとんどの場合、どこに避難すればよいのか皆目見当がつかないことでしょう。そんなときに「全国避難所ナビ」を使用すれば、GPSや住所検索を使って現在地に近い避難所を教えてくれます。また、オフラインであってもコンパス機能を使って避難所に向かうこともできます。通信設備が災害でダウンした際にも使えるため実際の有用度は高いといえます。
ココダヨ
震度5以上の地震が起きたときに地震速報が表示されるだけでなく、家族の居場所が地図上に表示されチャットできる機能があります。回線規制前に自動習得されたデータをもとにするため、離れて暮らす家族の位置を把握できる点で安心感を得られます。
かならず帰る
帰る場所を登録しておけば、自宅までの方向と直線距離を表示してくれるアプリです。最大の特徴はネットワークにつながっていない状態でも使用できるという点です。大災害の際にはインターネットを使用できる確証はありません。このアプリのようにオフラインでも使用できるかどうかを事前に確認しておきましょう。
高台サーチ
現在地の標高と一番近くの高台を探せるアプリです。津波から逃げるうえで重要なのは、どの程度の高さの津波が発生する可能性があり、その津波を避ける事ができる高台や建物は何処にあるのかということを事前に把握することです。その点で、平時からこのアプリで避難すべき高台を把握しておけば万が一の際にもスムーズな避難を実現できます。
トイレ情報共有マップくん
災害時、公共交通機関がストップしてしまい帰宅難民になってしまうことも考えられます。そうした場合、徒歩で帰宅を目指す際には道中で便意をもよおすことも。そんなときにはこのアプリで近くのトイレを検索できます。いざというときに助かるアプリです。
けが・病気の際に役立つアプリ
病院チェッカー
現在地の近くにある病院を診療科目などの条件で絞り込み検索できます。目当ての病院が見つかればワンタッチで経路探索もできます。旅行先や出張先など土地勘のない場所で、不慮の事故や災害に見舞われて病院にかかる必要が出たときに便利です。
救命・応急手当の基礎知識forポケットメディカー
累計100万ダウンロードを達成している人気アプリです。症状別応急手当、事故やけがへの応急手当、心肺蘇生方法、止血法の4つのカテゴリから対処方法を検索できます。日常的にけがや病気の対応をしている人は限られるため、万が一のときにもあわてずに対応できるようアプリを事前にインストールしておくとよいでしょう。
交通機関の情報を取得するアプリ
乗換案内
東日本大震災クラスの地震が発生すると、まず間違いなく電車の運行状況は混乱します。自宅まで帰ることができるのかどうかを把握するには、このアプリで運行状況を確認するとよいでしょう。
Yahoo!カーナビ
災害発生時には大渋滞が発生することもしばしばです。このアプリならリアルタイムでの渋滞情報を把握できるため、ルートの柔軟な変更が可能です。
まとめ
スマートフォンが普及し、便利な防災アプリが数多く登場しています。重要なポイントは、「情報の信頼性が高い」「いざというときに使いやすい」という条件を満たすアプリを見つけることです。SNSに更新される情報はリアルタイム性では他の情報源を圧倒するものの、情報の信頼性が不十分であり緊急時にどれほど有用性があるのかは疑わしい面があります。信頼できるアプリを見つけ日ごろから操作に触れておくことで、いざというときにスムーズに活用できます。