銘板の選び方
銘板は、建造物などの「名称」を示すネームプレートです。建造物の様式やスタイルを表す重要なツールのひとつであり、運営や営業にも大きな影響を与えるため、素材、デザイン、色遣いなど設置する場所に応じて適切な仕様を選択する必要があります。ここでは、銘板の選び方について詳しくご紹介しています。
建造物の種類と銘板の選択
裁判所や市役所といった自治体の建造物をはじめ、公共的な役割をもつ施設には金属腐食銘板がよく用いられます
金属腐食銘板はステンレスや銅などを腐食させて文字を彫刻したプレートです
屋外耐久性が高く、厳かで落ち着きのある見た目が特徴です
会社や工場といった建物では、組織のカラーを銘板に表現することで見る人に与える「イメージ」を変化させることができます
例えば、石や金属を素材とした場合は「威厳」「信頼」といった印象があり、アクリルや塩ビを素材とした場合は「柔軟」「先進」といった印象があります
それぞれの組織の性格に合うような素材選びがポイントとなります
橋やトンネルといった交通上の銘板には、錆び難さや耐久性といった観点からアルミやステンレスなどの金属銘板が多く導入されています
病院や福祉施設においては診療時間などの付随情報が記載されるケースが一般的であるため、看板と併せたデザインが多く見られます
金属系の素材よりも加工を行いやすいアクリルやプラスチックが用いられ、外観の意匠性が重視されます
銘板の仕様とデザイン性
銘板には大きく分けて「彫刻」と「印刷」の加工方法があります。彫刻は、レーザーやドリル、腐食などで部分的に削り取ることによりデザインを表現します。凹凸があるため立体的で美しい外観に仕上がります。
一方で、彫刻では複雑なカラーリングやグラデーションなどの複合的表現が困難であり、デザイン面に制限が生じます。
印刷はプリントした紙を透明板材で挟み込んだり素材に直接印字する加工方法を指します。デザインの再現精度が非常に高く色遣いも自由に設定できますが、耐久性が低くなりがちであり、彫刻と比較してプリントのチープさが見た目に表れてしまう点が短所です。
エッチングは食刻とも呼ばれ、刃・レーザーによる「彫刻」や化学薬品などの「腐食」を利用した塑形ないし表面加工の技法をいいます。歴史的には版画/印刷技法により発展してきたため、銅や亜鉛などの金属加工に多く用いられます。
エッチングによる彫刻加工を施した銘板は多数存在します。その大部分にドリル又はレーザーが用いられており、繊細なラインや図柄を表現することが可能となっています。
レーザー加工の場合、高温で切削や切断を行うため刃物や切削器具では実現できなかった繊細で精密な加工が可能です。一方で製造コストが高くなりがちであり、加工時間も長くなってしまうといったデメリットも存在します。
ドリル加工の場合、刃物での加工が原則となるためレーザーほど繊細な加工はできません。また、刃こぼれや消耗による不良が発生する恐れもあり定期的な点検が求められます。逆に、コスト削減や小ロット品が作りやすく、低価格での購入や短納期での納入が可能となります。
まとめ
銘板は、その構成素材により特徴や見た目が大きく異なります。用途を詳細に絞ったうえで、どのような仕様/デザインにするのかといった検討が非常に重要となります。長期に渡って使用するケースが多いため、素材の特性をよく見極め商品選びにお役立てください。
銘板特集